過去10年ほどにおける、アニメ人気の世界規模での広がりは目を見張るものがあります。そのジャンルとストーリーの多様性から世界中で愛されているのでしょう。
しかし、アニメにおけるスリラーというジャンルは非常に出来の良い作品が多いにも関わらず、過小評価されています。ハラハラドキドキを感じるならスリラーが一番なのに、もったいない話です。
そんなハラハラドキドキを感じたい方に向けて、アドレナリンがドバッと出るアニメ13選をご紹介いたします。
1. 『DEATH NOTE(デスノート)』
退屈していた死神「リューク」のデスノートが、ある日、聡明かつ抜け目のない学生「夜神月)」の手に渡る。彼はデスノートに対象となる人物の名前を書くことで、卑劣な犯罪者を手当たり次第に殺し、新世界の神になろうと暗躍する。そんな彼の存在に危機感を覚えた天才名探偵「L」は彼を止めようとするが…果たして、夜神月は理想郷を作ることができるのか?
2. 『ひぐらしのなく頃に』
アニメは画風や作風によって評価が分かれるものだが、本作は画風からは想像もできないような作品となっている。『ひぐらしのなく頃に』は、最初は学校の仲良しグループを描いたほのぼのアニメのようであるが、段々と深く暗い雰囲気を持った殺人ミステリーであることが分かっていく。
本作の魅力は、登場人物と視聴者を安心させたと思いきや、すべてが崩れ去るような悲劇が起こり、なんともいえない悲壮感が漂い始める点だ。本当に緊張感のある一作である。
3. 『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』
自称科学者の岡部倫太郎は、研究室にこもって無意味な科学実験に明け暮れる変わり者。しかし、ある日、過去へメッセージを送信する方法を発見する。過去を変えれば、当然、未来も変わる。これは、彼とその仲間たちの未知なる冒険。そして、タイムトラベルには代償がつきものだと知ることになる。
4. 『妄想代理人』
『パーフェクトブルー』、『パプリカ』、『千年女優』など、伝説的な作品を世に送り出し、アニメ界で最も知られた映画監督、今敏。
監督のテレビデビュー作品が『妄想代理人』である。本作では、「少年バット」という通り魔が世間を騒がせ、やがて恐怖で満ち満ちていく町の様子を説得力あるストーリーで描く。少年バットは不良高校生で、ローラースケートに乗って金色のバットを振り回しながら武蔵野市を恐怖に陥れる。この事件に目をつけた2人の捜査官が、少年バット逮捕に乗り出す。しかし、地元住民の不審な言動から、この事件には途轍もない闇が隠されていることを知る。
5. 『MONSTER(モンスター)』
天馬賢三はドイツで脳外科医として働き、ある日、市長よりも若者の命を救うことを優先した。彼は病院での地位を失うが、後任者が皆暗殺されたため復職する。しかし、当然ながら容疑は彼にかかり、身の潔白を示すため真相を突き止めるべく彼は動き出す。天馬賢三は自ら助けた若者がその暗殺者ではないのかと疑い始めるが、それをきっかけに彼の人生は崩壊していく。
本作は、タマネギのように幾重にも重なったストーリーが次々展開する、間違いなく史上最高のスリラー作品の一作である。
6. 『Re:ゼロから始める異世界生活』
異世界アニメといえば、無敵の主人公や薔薇色のお話といった要素から、チープな作品が多くあるのも事実です。しかし、本作は一筋縄でいかない。主人公は、死ぬとタイムスリップする能力を持ったごく普通の人間。何度も死ぬので、この能力を頻繁に使うことになる。
本作は、異世界アニメというジャンルへのアプローチに関して、批判的でありながらも爽快性を伴った作品だ。何かを達成することが現実世界と同じぐらい困難に描かれており、キャラクターの歩み一歩一歩に重みがある。
7. 『デス・パレード』
死者は「クイーンデキムへようこそ」という看板に迎えられ、白髪のバーテンダー「デキム」のいる奇妙な酒場へと導かれる。ゲームに興じる死者達が目に入るが、それはただのゲームではない。一見、平凡なゲームだが、その結果によって、死者の運命が決まってしまう。勝者は生まれ変わり、敗者は「虚無」へと追いやられ、そこで魂は永久に朽ちる。
ゲームが長引けば長引くほど、人々の本性が明らかになる。
『デス・パレード』は、「誰が勝つのか」と推理が止まらなくなる、中毒性の高いサイコスリラー作品だ。全12話を通して、キャラクターが数人登場し、ハラハラドキドキを感じさせてくれるはずである。
8. 『約束のネバーランド』
グレース・フィールド・ハウスには、一見明るく楽しそうな孤児たちが住んでいる。しかし、そんな少年少女が別々の家族のもとに数ヶ月間隔で運ばれ、そのまま行方不明になってしまうという事件が後を絶たない。そんな中、3人の子ども達がこの不可解な失踪事件を調査することになる。やがて、彼らはこの施設の奥深くに隠された恐るべき真実を知ることとなる。
シリーズを通して、いくつもの印象的かつ素晴らしいシーンがあり、常に緊張感がある作品である。また、真相を探る主人公達に降り掛かるどんでん返しは、このシリーズの最大の魅力であろう。
9. 『僕だけがいない街』
命にかかわる事件の数秒前にタイムスリップして、その事件の発生を阻止する「リバイバル」の能力を持つ千葉の青年「藤沼悟」が主人公。 自宅で母親が何者かに殺害されたとき、悟はその能力で18年前の過去に戻り、母親を救うだけでなく、幼なじみ3人の誘拐を阻止する。
連続殺人犯や社会の腐敗に焦点を当てたハードボイルドな犯罪スリラーアニメの中でも、『僕だけがいない街』は一風変わっており、「喪失」を描いた革新的作品である。
10. 『Another(アナザー)』
転校生の「榊原恒一」は、学校の先生をはじめ、誰もが「見崎鳴」の存在を知らないことに疑問を抱く。友人の忠告を無視し、彼は謎めいた孤独な隻眼の少女と仲良くなる。そして、50年近く前に起きた女子生徒の殺人事件を知る。その直後から、夜見山北中学校3-3の生徒たちが恐ろしい死に方をし始める。この町は何かがおかしい。
正統派ホラースリラーである。嫌いな人はいないだろう。
11. 『賭ケグルイ』
視聴者の心をつかみつつも、狂気を感じさせる怪作だ。本作は「ギャンブルが全て」な全寮制の私立学校を舞台にしている。ギャンブル依存症であろう転校生「蛇喰夢子」が、型破りな賭け方で校内を掻き乱していく。
なんでもない賭け遊びでさえ生死をかけた勝負に変え、大きな緊張感を生み出す本作には驚かされることだろう。ギャンブルの興奮が観客にアドレナリンを出させ、本作には今までにない緊張感とドラマがあるのだ。
12. 『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜(ファントム レクイエム・フォー・ザ・ファントム)』
舞台は、マフィアの犯罪が多発し、殺人が日常茶飯事となったアメリカ。その裏で暗躍する影の組織「インフェルノ」は、「ファントム」を使役して暗殺を行う。ある日本人旅行者が彼らによる殺人を目撃したことから、捕まった後に洗脳され、暗殺者「ツヴァイ」となる。インフェルノの操り人形と化した彼は、御役御免となる前に組織を抜けることができるのか?
13. 『残響のテロル』
2人の少年が半年前に日本で起きた連続爆破事件の犯人だと主張し、たちまち日本の当局の注目を浴びることになる。彼らは自らを「スピンクス」と名乗り、警察が把握している唯一の手掛かりは「VON」という文字だけだった。今は使われていない核燃料再処理施設において、赤くスプレーで残されていたのだ。日本中に恐怖と騒乱を巻き起こし、パニックと不安を引き起こすと宣言した彼らだが、それを阻止するのは警察である。
『残響のテロル』は、魅力的なキャラクターによって展開される骨太なストーリーが最高な作品である。次の瞬間には何が起こるのかとハラハラさせてくる緊張感が漂って一作だ。